静岡県産のお茶について
静岡茶の概要
静岡県は日本のお茶の40%以上の生産量を誇る日本最大のお茶産地で、静岡茶は、日本の三大銘茶(静岡茶、宇治茶(京都)、狭山茶(埼玉))の一つとして数えられています。
大きく分けて県中央部の牧之原台地をはじめ富士山麓、安倍川、大井川、天竜川、太田川流域で各地で自然環境を活かしたお茶づくりが行われています。
静岡のお茶の特徴として、県内の産地ごとにそれぞれのブランドが確立されているということが挙げられます。
同じ静岡であっても、沿岸部になると温暖な気候である一方、山間地は寒暖差が激しく、山麓は雪が多く積もるほど気候や風土が異なっており、加えて栽培方法、製造方法、品種などにより、静岡各地で作られるお茶は、それぞれが強い個性をもっており、各地域を代表するお茶がたくさん作られています。
それらのお茶は、国内外のコンテストの入賞も数多く受賞しており、量・質ともに日本一のお茶どころとなっています。
静岡茶の歴史
静岡茶の始まりは、駿河出身の高僧、聖一国師が、鎌倉時代に宋から持ち帰った茶の種を現在の静岡市足久保に撒きいたことであると言われています。
- 聖一国師
- 聖一国師は、宋から持ち帰った茶の実を植えさせ、茶の栽培も広めたことから静岡茶(本山茶)の始祖と称される。墓所ともなった「医王山回春院」の名は茶の持つ不老長寿の効能をうたったものと伝えられる。 聖一国師の新暦の誕生日である11月1日は、静岡市のお茶の日に制定され今もなお普及活動が盛んに行われている。
静岡茶の銘柄(ブランド茶)
静岡県で作られるお茶は静岡茶として売られることはほとんどなく、同じ県内でも、産地ごとにブランド茶として独立した魅力を各々が確立しているという点が特徴的です。
山間地で育つ川根茶・本山茶は高級煎茶や掛川茶などは静岡茶として特に有名ですがそのほかにも以下の銘柄があります。
- 主な茶の銘柄
- 川根茶、天竜茶、本山(ほんやま)茶・玉露本山茶、掛川茶、沼津茶、牧ノ原茶、春野茶、富士茶、裾野茶、朝比奈茶・朝比奈玉露、安倍茶、清水のお茶、朝比奈、岡部茶・玉露岡部茶、藤枝茶、志太茶、榛原茶、島田茶、金谷茶、さがら茶、御前崎茶、菊川茶、小笠茶、袋井茶、磐田茶、遠州森の茶、浜松茶、足久保茶、両河内(りょうごうち)茶、庵原(いはら)茶、梅ヶ島茶、榛原(はいばら)茶、みくりや茶、渋川茶、井川茶、新山茶、水窪(みさくぼ)茶
作られるお茶は、煎茶が主体で、特に深蒸し煎茶が多く生産されています。(静岡県内の深蒸し煎茶の生産は、全煎茶生産量の70%を超えている。)
静岡県は、深蒸し煎茶を大規模に作り始めた場所で、この深蒸し煎茶は、関東の特に東京では圧倒的に人気があります。
そのほかには、玉露や抹茶、かぶせ茶や蒸し製玉緑茶、また量は少ないですが、紅茶や鳥龍茶も作られています。
川根茶
産地:川根本町
川根茶は、大井川上流に位置する川根地区で作られており、高級茶の1つとして知られている。川根茶の存在が明確になるのは、江戸幕府が開かれた頃で川根の村々は、年貢を茶で納めていたという古記録が残されている。
傾斜面を利用した茶畑で、昼夜の寒暖差が大きく、また大井川の影響で朝霧が掛かるために、良質の茶が育つ。山のお茶らしい爽やかな香りと優しい味わいが特徴となっている。有機栽培が盛んで、丁寧に手摘みされることが多い。水色は、金色透明。1964年には、日本茶業界で初めて「天皇杯」を受賞している。
- フォーレなかかわね茶茗舘
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平成6年春オープンしたフォーレなかかわね茶茗舘は、川根本町の暮らし、自然、産物などについて、「お茶」をキーワードに紹介する新しいコミュニティエリア。
緑深い山々をバックに、自然に溶け込むような、素朴でぬくもりのある建物が特徴です。また、フォーレなかかわね茶茗舘は国土交通省指定の「道の駅」として、道路や地域の情報の案内役としても役立ちます。
フォーレなかかわね茶茗舘は国土交通省指定の『道の駅』- 住所:静岡県榛原郡川根本町水川71−1
- TEL:0547-56-2100
- 営業時間:9時30分~16時30分(定休日水曜)
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参考情報
天竜茶
天竜茶が作られる浜松市の天竜川流域は古くから高級茶の産地として知られている。
傾斜地のため水はけが良く、朝夕には山霧・川霧が発生。昼夜の寒暖差も大きく、害虫の発生が少ないなどお茶の栽培に適した地となっている。
爽やかな香気とスッキリした味わいのあるお茶。水色は金色透明。
本山(ほんやま)茶・玉露本山茶
本山(ほんやま)茶は、静岡市北部、安部川と支流藁科川上流に位置する山間部で生産されている。この地は、ミネラル豊富な土と川霧に包まれることにより、茶の栽培に適した自然環境となっている。
本山茶は鎌倉時代に聖・国師が茶種を足久保に蒔いたのが始まりとされています。かつては安倍茶とも呼ばれていたが、他産地と区別するため、筑紫光太郎が本山茶と命名。
明治天皇にも献上した歴史がある、静岡茶を代表する高級銘柄として知られている。 新鮮な香りと口当たりの良さが特徴。
掛川茶
掛川市で生産される掛川茶は深蒸し煎茶発祥の地のひとつとして知られる。
深蒸し掛川茶が「本場の本物」に認定
平成27年1月26日、深蒸し掛川茶が一般財団法人食品産業センターの地域食品ブランド表示基準制度に基づく「本場の本物」に静岡県内としては初めて認定されています。 掛川市役所
今回認定を受けたのは、市内の各茶工場から厳選出荷された茶葉の中から品評会によって原料を選び出している「天葉(あまね)」ブランド。
「天葉(あまね)」とは
天葉は、掛川茶の未来創造のため、品質の管理・向上と掛川茶のPRを目的として組織された「掛川茶ブランド委員会」が企画・制作した最高級の深蒸し掛川茶です。
その名前には『その極上の香りが天空へと広がり、その名があまねく世界に知れ渡るように…』という願いが込められています。
掛川市の推奨品種である「さえみどり」と「つゆひかり」、そして従来品種の「やぶきた」の3種の品種茶を使用し、掛川の茶師たちが熱い想いを込めて『百年愛されるお茶』を目指し、今までにない新しい香味の創造を続けています。
芳醇な香りと、まろやかで上質な甘み、初夏の新緑を思わせる鮮やかな水色が特徴の天葉には、「天葉プレミアム」と「天葉」の2つのグレードがあります。
新茶が全て出そろったころ、品評会が行われ、茶審査技術上位有段者によって選ばれた茶葉は、前年度の仕上げ技術を競う掛川仕上茶品評会において優勝した茶師によって火入れ仕上げ加工が行われ天葉となります。
ふじのくに茶の都ミュージアム
日本を代表するお茶の一大産地である静岡では、お茶づくり関係する研究機関や文化施設がたくさんあります。
その中には、茶摘み体験・手もみ体験・抹茶挽き体験・茶道体験やお茶文化・歴史を知ることができるお茶のミュージアムで”ふじのくに茶の都ミュージアム”もあります。
- ふじのくに茶の都ミュージアム
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- 住所:静岡県島田市金谷富士見町3053−2
- TEL:0547-46-5588
- 営業時間:9時00分~17時00分(定休日火曜)
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都道府県別お茶のまとめ
お茶の産地を各都道府県毎に紹介しています。
- お茶の産地一覧
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日本の緑茶について
二次加工茶(緑茶)