鹿児島県産のお茶(鹿児島茶)について
全国第2位の茶の生産量、鹿児島茶とは
平成28年の荒茶生産量は24600トン。
鹿児島県は生産地としての歴史は浅いものの、荒茶生産量で日本第二位となっており静岡に次ぐ生産量を誇り、九州一の大茶産地となっています。
知覧や頴娃(えい)、霧島南麓の茶産地が知られていますが、大隅半島沿岸の志布志周辺や薩摩半島内陸部にも茶園が広がっています。
- 地域別の荒茶生産量
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- 南九州市/11,838トン(48.1%)
- 志布志市/3,655トン(14.9%)
- 霧島市/1,431トン(5.8%)
- 枕崎市/1,397トン(5.7%)
- 曽於市/1,014トン(4.1%)
- 鹿児島市/910トン(3.7%)
- 鹿屋市/838トン(3.4%)
- 日置市/829トン(3.4%)
- 錦江町/531トン(2.2%)
- さつま町/371トン(1.5%)
- 薩摩川内市/364トン(1.5%)
- 南さつま市/295トン(1.2%)
- 屋久島町/235トン(1.0%)
- 大崎町/218トン(0.9%)
- 西之表市/206トン(0.8%)
平坦な茶園が多く大型機械化栽培がさかんで、摘採の効率化から茶畑の管理作業の省力化・低コスト化が進められています。
温暖な気候で味が濃いものが多く、やや薄い香りが特徴とされています。煎茶が中心に作られています。 また、日本で一番最初の収穫が行われる新茶として『大走り新茶』と呼ばれることが有名です。(種子島では3月後半から収穫が始まる)
一般的な「やぶきた」に加えて、香りの強い「ゆたかみどり」など、多くの品種が栽培されており、ブレンド具合によっても仕上がりが変わるのも特徴となっています。
鹿児島茶の歴史
鹿児島県における茶の栽培は、①800年前、金峰町阿多白川(南さつま市)に平家の落人が伝えたという説や、②足利時代に吉松町の般若寺に宇治から茶種子を取り寄せ播いたのがはじまりという説などがあります。
その後は島津藩政時代に茶の栽培が奨励されましたが、本格的な茶の栽培や生産のは第二次大戦後からとなっています。
当初は、もともと鹿児島茶の知名度が低かったため単独では市場に受け入れられず主にブレンド用として生産されていましたが、1985年(昭和60年)頃から地域ブランドとしての販売戦略が強化されるようになりました。
鹿児島のブランド茶
鹿児島茶というのは、鹿児島県で栽培されている茶の総称です。以前までは、大部分が仕上げ加工において他産地の茶にブレンドされることが多くありましたが、最近では県内各産地の名を冠したブランド茶が多く販売されるようになってきています。
- 鹿児島県内の茶銘柄一覧
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- さつま茶、宮之城茶:(さつま)
- ひおき茶:(日置・ひおき)
- まつもと茶:(松元)
- 知覧茶:(知覧)、 (川辺・かわなべ)
- 枕崎茶:(枕崎)
- 霧島茶:(霧島)
- 財部茶、曽於茶:財部(たからべ)
- 末吉茶、曽於茶:(末吉・すえよし)
- 志布志茶、有明茶:(志布志・しぶし)
- かのや茶:(鹿屋・かのや)
- 田代茶:(田代・たしろ)
- 大根占茶:(大根占・おおねじめ)
- 種子島茶:(種子島)
- みぞべ茶:(溝辺町)
- えい茶:(頴娃町・えいちょう)
多彩に栽培される栽培品種
鹿児島では、温暖な気候を活かし、早生から晩生品種まで多様な品種が栽培されています。そのため、摘採期間が長く、また様々なニーズにあったお茶を生産することが可能となっています。
現在、鹿児島で栽培される品種は日本茶用として一般的な「やぶきた」に加えて、香りの強い「ゆたかみどり」や色の良い「あさつゆ」など以下の品種が栽培されています。
- 鹿児島で栽培される栽培品種
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- やぶきた
- ゆたかみどり
- あさつゆ
- かなやみどり
- さえみどり
- おくみどり
- やまとみどり
- くりたわせ
ゆたかみどり
鹿児島県を中心に、南九州、四国など、比較的温暖な地域で栽培されており、栽培面積が「やぶきた」に次いで二番目に普及している品種です。「あさつゆ」から選抜育種された品種です。「やぶきた」より5日ほど早く摘採できる早生種で、寒さには弱いため、温暖な地域で栽培が広がっています。渋味が少なく口当たりがよくまろやかな味わいが特徴とされています。
あさつゆ
宇治在来のお茶の樹を静岡で選抜育種した品種です。 青味がかった緑色の水色で、甘み、旨みの強い味わいがあって渋みが少ないのお茶となっています。
「かごしま茶」シンボルマーク
『かごしま茶のシンボルマーク』は、鹿児島県産茶に対する理解と認識をさらに広め、イメージアップを図るため、「かごしま茶」のシンボルマークの登録標章を設定し、宣伝販売活動を積極的に展開しようとするものです。
標章茶規格基準に合格した規格茶についてはシンボルマークを表示して販売することが可能となっています。
このシンボルマークのデザインは、朝日と桜島、そして茶畑と錦江湾に映る影をイメージしたもので朝日の輝きは八十八夜にちなんで8本の光にアレンジしたものとなっています。 鹿児島茶生産協会
霧島の大茶樹
霧島の大茶樹は、鹿児島県の北部、霧島牧園町にある大茶樹のことです。
かつて樹齢300年ともいわれる日本一とも称された大茶樹があり、昭和12(1937)年には天然記念物に指定されていましたが昭和20年に枯れてしまっています。
現在は、その二代目の茶樹であり、樹齢約100年とされています。
- 所在地:鹿児島県霧島市牧園町持松
- LINK:霧島市観光協会
都道府県別お茶のまとめ
お茶の産地を各都道府県毎に紹介しています。
- お茶の産地一覧
- 青森県 岩手県 山形県 宮城県 秋田県 茨城県 栃木県 東京都 埼玉県 千葉県 神奈川県 富山県 新潟県 石川県 山梨県 岐阜県 和歌山県 愛知県 静岡県 京都府 奈良県 兵庫県 三重県 島根県 佐賀県 福岡県 鹿児島県 宮崎県 熊本県
日本の緑茶について
二次加工茶(緑茶)