烏龍茶とは
- 品名:RENBO | 恋慕
- 茶名:東方美人(とうほうびじん)
- 英語名:ORIENTAL BEAUTY
- 産地:台湾 | 桃竹苗
- 種類:烏龍茶
- 6大茶類:青茶
- 発酵による分類:半発酵茶
- 発酵度(酸化度):10%~80%
烏龍茶は、茶葉の発酵途中で加熱することで発酵を止め、複雑な製法で作られた半発酵茶となります。中国茶の6大茶類の分類では、青茶に分類されます。(※半発酵茶に分類される青茶は現在では、その総称として、烏龍茶といわれることが多くなっています。)
- 六大茶類とは
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中国茶は、1978年に中国安徽省の安徽農業大学の陳椽教授によって緑茶、白茶、黄茶、黒茶、青茶、紅茶の6種(六大茶類)に区分され、これにジャスミン茶など花茶を加えた7種がお茶の一般的な分類方法として知られている。
半発酵といってもその幅は広く10%程度の限り無く緑茶に近い発酵の烏龍茶から、紅茶(全発酵)に近い発酵度の烏龍茶まで発酵度のバリエーションもさまざまです。
そのため、味や香りのバリエーションもとても豊かでたくさんの銘柄が存在します。一般的に発酵度が高くなるにつれて、香りや味も淡いく爽やかなものから芳醇なものへと変化します。
烏龍茶の産地
烏龍茶の産地は、大きく中国産(大陸産)と台湾産に分けられます。烏龍茶(青茶)は、中国産(大陸産)と台湾産があります。(※日本でも一部で生産されていますが、生産量は非常に僅かとなっています。)
中国の烏龍茶
中国の代表的な産地
中国烏龍茶の代表的な銘柄
台湾の烏龍茶
台湾烏龍茶の代表的な産地
- 台北市文山地区(文山包種茶)
- 台北市文山区木柵(木柵鉄観音)
- 台中県和平郷梨山村周辺(梨山茶)
- 南投県鹿谷郷(凍頂烏龍茶)
- 南投県杉林渓茶園区(杉林渓茶)
- 嘉義県阿里山周辺(阿里山茶)
台湾烏龍茶の代表的な銘柄
- 品名:HINATA | 日向
- 茶名:凍頂烏龍茶(とうちょううーろんちゃ)
- 英語名:DONG DING OOLONG
- 産地:台湾 | 鹿谷郷
- 品種:青心烏龍
- 種類:烏龍茶
- 品名:RENBO | 恋慕
- 茶名:東方美人(とうほうびじん)
- 英語名:ORIENTAL BEAUTY
- 産地:台湾 | 桃竹苗
- 種類:烏龍茶
- 品名:HANAGASUMI | 花霞
- 茶名:梨山高山茶(りさんこうざんちゃ)
- 英語名:LI SHAN OOLONG
- 産地:台湾 | 梨山
- 品種:青心烏龍
- 種類:烏龍茶
- 品名:KUMOMI | 杉林渓高山茶
- 茶名:杉林渓高山茶(さんりーしーこうざんちゃ)
- 英語名:SHAN LIN XI OOLONG
- 産地:台湾 | 杉林渓
- 品名:SHOSHA | 瀟洒
- 茶名:木柵鉄観音(もくさくてっかんのん)
- 英語名:MU ZHA TIE GUAN YIN
- 産地:台湾 | 木柵
- 種類:烏龍茶
くわしい台湾茶の紹介についてはこちら
烏龍茶の四大産地
上記で紹介した烏龍茶の産地のうち、福建省北部、福建省南部、広東省、台湾の4つの地域は、烏龍茶の四大産地と呼ばれることがあります。
- 烏龍茶の四大産地(4大烏龍茶)
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- 福建省北部:武夷岩茶(大紅砲、白鶏冠、水金亀、鉄羅漢など)
- 福建省南部:安渓鉄観音
- 広東省:鳳凰単叢(黄枝香、蜜蘭香、桂花香、杏仁香、肉桂香など)
- 台湾:凍頂烏龍茶、文山包種茶、木柵鉄観音、東方美人、高山茶(梨山茶、阿里山茶)など
烏龍茶名前の由来
烏龍茶という名前の由来は諸説ありますが、中国広東省で製茶されたお茶の形状や色が烏のように黒く、龍のように曲がりくねっているため名付けられたと言われています。
烏龍茶の始まり
烏龍茶は、広東省東部の潮州市の鳳凰山周辺で生産される「鳳凰単欉」が、現在の烏龍茶の祖で言われています。鳳凰山周辺では、現在でも樹齢数百年ともなる茶樹が存在しています。
鳳凰単叢(ほうおうたんそう)とは、広東省潮州産の銘茶で、広東省の烏龍茶を代表する銘柄です。
その後、烏龍茶は、東南アジアを初め各地に移り住んで行った華僑が好んだことから世界に広まったといわれています。
烏龍茶の製造工程
烏龍茶の一般的な製造工程は以下の通りです。(※生産地や銘柄、製茶業者により多少の違いがあります。)
- 01. 萎凋(日光・室内)
- 02. 揺青(炒青・蒸青)
- 03. 殺青
- 04. 揉捻
- 05. 乾燥
- 06. 火入れ(焙煎)
01. 萎凋(日光・室内)
萎凋とは茶葉を萎らせる工程のことで、日光に当てる場合を日光萎凋、クーラーで室内温度と湿度が調整された部屋にて行う場合を、室内萎凋といいます。
茶葉内の水分を蒸発させるとともに、茶葉の組織に変化を起こさせるこの萎凋工程はウーロン茶には欠かせない作業となります。
この萎凋工程により緩やかに発酵(発酵)が開始され、茶葉からは爽やかな花の香りが広がり始めます。
02. 揺青
揺青(ようせい)とは茶葉に振動を与えながら攪拌したり、両手で持ち上げて揺り落とす作業のことです。この作業により葉の中の水分がさらに蒸発し、発酵が進み、香りが増してきます。
03. 殺青
発酵がある程度までいったところで、茶葉を高温で加熱し、熱により酸化酵素を失活させます。この作業を殺青(発酵を止める)といいます。日本茶の場合、蒸すことで殺青(蒸青)を行いますが、中国茶の場合、釜で炒ることで殺青(炒青)を行います。
04. 揉捻
揉捻(じゅうねん)とは茶葉を揉んで、茶の成分を抽出し易くするためするための工程となります。
茶葉の形は丸く締め付けた茶葉となる場合もあれば、細長くするかで撚られた場合もあり銘柄により様々。茶の品種と発酵度により味と香りが最大に引き出される様に考えられた形状となります。
05. 乾燥
乾燥は、乾燥機によって余分な水分を取り除く作業となります。茶葉の水分が5〜7%になるまで乾燥させるのが一般的です。
乾燥後の茶葉は、荒茶と言われる状態で、清々しい香りと爽やかな味が特徴となり、この『荒茶』を好んで購入する人も多くいます。
06. 火入れ(焙煎)
上記で完成した『荒茶』に熱処理を施すことを火入れ(焙煎)といいます。火入れをしていない『荒茶』は爽やかさが際立つ反面、保存がききません。
火入れは必ずしも必要な工程ではありませんが、これを行うことでお茶の保存性を高めることができます。また火入れは、保存性を高めるだけでなく、荒茶にはない独特の『味』と『香り』を引き出します。
このように、火入れを行なったお茶は、(例)阿里山 金萱烏龍 炭焙(炭による焙煎)などと呼ばれ、こちらも多くのファンを持っています。
清香型と炭焙型について
上記で説明した通り、製茶過程で、揉捻・乾燥後に火(焙煎)入れをするか、もしくはその焙煎方法によりお茶の味わいが異なってきます。
全く火を入れない場合は一般的に清香型と記載し、炭焙(伝統的な焙煎方法)を施した場合、商品名に炭焙と記載し、区別されます。
- 例
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- 阿里山茶 清香
- 阿里山 金萱烏龍 炭焙
以前は重発酵で焙煎を強めに行なっている炭焙型が主流でしたが、現在の台湾茶の現在のトレンドとして、火を入れない「清香型」と言われるお茶が多くなっています。 清香型と炭焙型の特徴は以下の通りです。
清香型
- 火(焙煎)を全く入れていない、もしくは軽めのに焙煎しているタイプ
- 一般的に非常にすっきりとした味わいと、フレッシュな香りが特徴
- 烏龍茶の流れとして、全く火が入ってないタイプが人気が高い
- 火を入れているに比べて茶葉の色がより緑色をしているためによく緑茶と勘違いされることがある。
炭焙タイプ
- 炭火焙煎のことで、伝統的な焙煎方法。炭の香りで独特の香ばしさが付くと同時に保存性も高まる。
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