中国を代表的する烏龍茶 【安渓鉄観音】
安渓鉄観音は、福建省の安渓を産地とする中国を代表する烏龍茶の1つです。
烏龍茶については以下の記事で紹介しています。
安渓鉄観音の産地である安渓を訪れた際の記録は以下の記事にて紹介しています。
20世紀初頭に国際品評会で優勝し、世界的に評価が高まり、人気を獲得したお茶であり、西湖龍井茶や碧螺春、黄山毛峰、大紅袍などとともに、中国十大銘茶にかぞえられています。
別名「南岩鉄観音」と呼ばれ、数ある鉄観音の中でも代表的なお茶として知られています。
- 鉄観音とは
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鉄観音とは茶樹の品種名のことで、鉄観音種という品種の茶樹から作られた烏龍茶を「鉄観音」と呼びます。
安渓鉄観音の起源は武夷岩茶
安渓鉄観音は武夷山を産地とする武夷岩茶を起源としており、烏龍茶の製茶技術が武夷から伝わったとされています。
武夷から製茶技術が伝わった当時は、武夷岩茶同様に火入れを重点的に行う作り方の基本でしたが、現在は火入れは軽くか全く行わず、蘭の花のような香りが特徴の茶として知られるようになっています。
香りを引き出すために、殺青後、布に包んで強く揉捻することが製法上の特徴となっています。
鉄観音の名の由来
鉄観音の名の由来はいくつもあり、そのどれもが伝説化されており真相は定かではありませんが以下の3つが代表的な名の由来となっている伝説です。
- 01. 観音様にまつわる伝説
- 観音菩薩から賜った茶樹であり、茶樹が育った村に鉄を産する鉄鉱山もあったためという説
- 02. 皇帝命名説
- ある農夫が当時の皇帝、乾隆帝に茶を献上した際、皇帝はその味に感動し、重く神々しい味のそのお茶を鉄観音と名付けたいう説
- 03. 見た目からの印象より
- 香りが高く、茶葉が黒みがかり、鉄のようにどっしりとしている様子から名付けられた説
安渓鉄観音茶の特徴
味は芳醇で甘く、透き通ったような香りは蘭を想像させます。 茶葉は固く締まり、深い緑色をしており、水色は琥珀色をしているのが一般的。
安渓鉄観音は、武夷岩茶からその製茶法が伝わった当時、火入れを重点的に行う製法が取られておりましたが、現在はこの蘭の花のような香りを引き出すよう火入れを軽め、もしくは全く入れないタイプが主流となってきており、これを『清香型』と呼びます。
これにより、安渓鉄観音を蘭の香り、フルーティな香りのお茶として理解されている方がほとんどとなっています。
安渓鉄観音茶以外の、鉄観音茶
現在では鉄観音茶は、様々な地域で生産されており、有名なところでは、台湾の木柵鉄観音があります。
- 木柵鉄観音とは
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台湾台北近郊で作られる木柵鉄観音は、その昔安渓から茶の作り方が伝わったとされ、今でも昔当時の安渓鉄観音の作り方が継承されています。
この木柵鉄観音以外にも、台湾の高山茶と言われる茶の製茶方法は、安渓伝わったとされています。
安渓鉄観音の巨大市場『中国茶都』
2018年4-5月の2ヶ月をかけて、中国、香港、台湾の茶の産地、茶市場、茶館などを見てまわる旅に出た際、安渓にある安渓鉄観音が集まる巨大市場『中国茶都』を訪問しています。
その際の記録は以下の記事にてご紹介しています。